全国初の大規模実証!水素社会実現へ浪江町「水素タウン構想」

 

 浪江町は20日、水素社会の実現に向けた「なみえ水素タウン構想」を発表した。町は東京電力福島第1原発事故からの復興に向けてエネルギーの地産地消を掲げている。町内で製造される水素を使った大規模な実証を進めながら商工業や農業、交通、教育などさまざまな分野での水素の利活用を目指す。町単位で大規模な実証が行われるのは全国で初めて。

 水素は環境に配慮した次世代のクリーンエネルギーとして注目される一方、効率的な導入に当たっては製造や貯蔵、輸送などの技術的な問題に加え、水素燃料電池の性能の向上とコストダウン、法規制の見直しなど課題は多いという。町内で3月、世界最大規模の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」が開所、水素の安定的な供給体制が整ったことから水素の利活用促進に取り組む。

 構想では、浪江町を中心とした浜通りの一般家庭や商業施設などに燃料電池を設置し、パートナー企業が専用のトラックで水素を配送・供給する実証を来年度にもスタートさせる。

 町は2024年にも、立地企業の消費電力を全て再生可能エネルギーでまかなう産業団地を町内の棚塩地区に完成させる計画で、産業団地に低コストで水素を供給するために電柱を活用したパイプラインを整備し安全性などを確認する。

 また、町内の道の駅なみえに燃料電池を設置して電力とお湯を供給する取り組みを開始、運転費用などを検証しながら実用化の可能性を探るという。

 町は水素製造拠点の開所に合わせて、50年までに二酸化炭素の排出実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を宣言しており、水素の利活用を通して達成につなげたい考えだ。町の担当者は「原子力被害を受けた浪江町だからこそ、再エネ由来の水素で復興を成し遂げたい。原子力や化石燃料に頼らない新しい町をつくりたい」と話した。