教員の長時間勤務改善 福島県内小中学校、一斉下校や退勤導入

県小学校長会と県中学校長会は17日、昨年12月の「教員の働き方改革」宣言を踏まえ、小学校の96%、中学校の86%が新たな取り組みを始めたことが分かったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大による臨時休校など異例ずくめの学校生活の中で、各校が長時間労働是正に向け工夫を凝らしている現状が明らかになった。
一斉下校を導入した小学校は154校、中学校73校、一斉退勤を設定した小学校は358校、中学校は122校だった。会議日や日課表の工夫、部活動の調整などを行い、導入を進めた。部活動休養日については、部活動のある全ての学校が設定した。
新たな取り組みがないと回答した48校のうち、今後予定しているのは35校。残り13校はすでに一斉下校や一斉退勤を導入しているなど、対策が取られていた。
調査には県内の小学校405校と中学校215校が回答した。
学校行事の削減や簡素化に取り組んだ学校は、小学校で94%、中学校で88%だった。式典の練習日や文化祭の開催時間の短縮のほか、校内スポーツ大会を通常授業での記録累積に置き換えるなどの工夫がみられた。
本年度は新型コロナウイルスの感染拡大で部活動や学校行事の中止が相次ぎ、教員の勤務時間が前年より短縮している一方、消毒作業や子どもへの感染対策指導などの長時間化が課題となっている。
県小学校長会の佐藤秀美会長は「課題はコロナ対策。宣言をつくった時にはなかった課題だが、感染対策は子どもの健康安全のため手が抜けない」、県中学校長会の佐藤晃会長は「部活動は意義のある活動だが、長時間勤務の要因にもなっている。参加大会の精選などが課題」とそれぞれ語った。
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