既存施設との連携に課題、統合も視野に議論 国際教育研究拠点

 

 政府が浜通りに整備する国際教育研究拠点を巡っては、東日本大震災後に県内各地に整備された既存の研究施設と新しい拠点が分野ごとの縦割りをなくし、相乗効果を発揮できるかが鍵を握る。

 政府は整備方針で「既存施設について聖域を設けず検討する」との方向性を打ち出しており、復興庁を中心に文部科学、農林水産、経済産業、環境の各省が会議を設け、拠点との統合を目指して議論する。

 東京電力福島第1原発事故からの本県復興に向け、政府は県や被災市町村の要望を踏まえ、各省庁が所管する研究施設の整備などを急いだ。

 ただ、全体を束ねる司令塔をどうするのかを明確にしないまま分散して運用してきたため、相互の連携強化が課題となっている。

 本来であれば、それぞれの研究施設が連携して浜通りに新産業の集積を図る福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想を加速させる役割が期待されていたが、十分な効果を挙げられていないのが現状だ。このため新拠点は既存施設を結び付ける役割を担い、産業創出や技術革新を狙う産学官の力を引き出す体制につなげられるかが問われることになる。

 政府が統合を視野に議論する主な県内施設

 ▽廃炉環境国際共同研究センター(富岡町、南相馬市、三春町)▽楢葉遠隔技術開発センター(楢葉町)▽大熊分析・研究センター(大熊町)▽福島水素エネルギー研究フィールド(浪江町)▽国立環境研究所福島支部(三春町)▽農研機構東北農業研究センター福島研究拠点(福島市)▽産総研福島再生可能エネルギー研究所(郡山市)

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 政府成案に知事「要望おおむね反映」

 国際教育研究拠点に関する政府成案について内堀雅雄知事は18日、「法人の組織形態は来年の秋までに決めるとされたものの、各省庁の縦割りを超えたガバナンスや拠点の研究内容など、県の要望をおおむね反映していただいた」との談話を発表した。その上で内堀知事は「基本構想の策定に取り組むとともに、立地地域の検討に向け、具体的な条件などを速やかに検討してほしい」と求めた。