海が近く夏には浜風...久之浜で充実ワーケーションを 来春にも開業

いわき市久之浜町で水産加工業「福や」を営む井出拓馬さん(36)らは有志で地元の空き家を改装し、仕事をしながら休暇を過ごす「ワーケーション」ができる施設「アートスタジオ弁天」を来春にも開業する。新型コロナウイルス禍で注目が高まるテレワークや動画配信にも対応できる施設にする予定で、首都圏からの移住や創作活動の拠点として、地元を盛り上げるつもりだ。
海に近い高台にある一軒家で、夏には浜風が吹き込む。過ごしやすい気候や生活音の少なさが売りで、空き家になった約1年前から手付かずとなっていた。地域では東日本大震災による転居や住民の高齢化などに伴って空き家が目立ち始めており、井出さんは「空き家が増えると、地域全体が朽ちてしまう」と危機感を抱いていた。
そんな中、今年に入り、新型コロナ感染症拡大に伴い、自宅や店舗などから遠隔で働くテレワークの認知度が高まった。「ネットが使えれば地方の一軒家から仕事ができる時代。『お荷物』になりがちな空き家を、移住を考えるための魅力的な拠点にしよう」。井出さんと久之浜町で鮮魚店「おさかなひろば『はま水』」を経営する合同会社はまからが共同で整備を始めた。
滞在しながら働けるよう環境整備を進めており、情報通信関係の企業で勤務経験のある井出さんを中心にWi―Fi(ワイファイ)やモニター、会議用設備などを導入する。充実した設備を生かし、滞在者がいないときなどは、パソコンやインターネットに関するワークショップでの活用なども検討している。
井出さんは震災を契機に「県産品の販売促進に関わりたい」と京都府から地元いわき市に戻った。水産加工業で住民と接する中で、挑戦を後押ししてくれるような周囲のおおらかさに居心地の良さを感じて、今年7月に同市平から久之浜町に移住した。「外部の人でも入りやすいところ。ここに来てその魅力を多くの人に知ってほしい」と話す。
現在は床や壁の張り替えなどを進めており、年明けにはロゴも決めるほか、ワークショップを開いて参加者と共に壁塗りなどを進める計画。井出さんは「首都圏から移住を前向きに考えたり、新たな発信の後押しができる施設にしたい」と力を込める。
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