福島市が「緊急警報」発表 福島西部病院、新たに5人感染確認

 

 福島市は20日、新型コロナウイルスの感染者が27人確認されている福島市の福島西部病院で、新たに入院患者4人と出入り業者1人の計5人の感染が確認されたと発表した。市と市医師会は同日、市内で感染者が急増して医療体制が逼迫(ひっぱく)しているとして、年末年始に不要不急の外出を控えることなどを市民に呼び掛ける「緊急警報」を出した。

 福島西部病院の感染者は計32人で、県内最多のクラスター(感染者集団)となっている。内訳は入院患者17人、職員12人、出入り業者3人。市は院内感染とみて調査しているが、感染経路は不明。市によると、感染が確認された入院患者は介護が必要な患者が中心で、移動が困難なため院内で治療を継続している。同病院には計43人が入院している。

 介護のため職員と入院患者とが接触する場面が多く、院内に感染が拡大しやすい状況があったと市はみている。院内での広がりの状況から、感染はしばらく前から院内で始まっていた可能性があるとして、市は特に12月以降に病院を利用し、発熱などの症状のある市民に、かかりつけ医や市の窓口に相談するよう呼び掛けている。

 県によると、12月は県内で231人の感染が確認されている。このうち福島市の感染者は153人で全体の66%を占める。

 市医師会によると、感染者を受け入れる市内の病床は4病院に計60床あり、17日時点でこのうち43床が埋まっていて、病床使用率は71.7%に上る。また、入院や手術が必要な救急患者を受け入れる市内の2次救急病院のうち、福島西部病院と福島赤十字病院が感染拡大の影響で受け入れができなくなったことから、年末年始の救急医療について市医師会が市や福島医大と協議を続けている。

 緊急警報では正月三が日までの間、帰省を控えるよう家族に呼び掛けることや忘年会を控えること、家庭内でもマスクなど基本的な感染対策を徹底することなどを求めた。

 木幡浩市長と岡野誠市医師会長が20日、市役所で記者会見した。岡野会長は「救急医療が逼迫し、『命の選別』をせざるを得ない状況が目前に迫っている」と医療の危機を訴えた。