風評対策20億円、復興特会は9318億円 21年度予算案閣議決定

 

 政府は21日、2021年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は106兆6097億円と9年連続で過去最大になった。

 政府は21年度予算案で、原発事故に伴う風評払拭(ふっしょく)・リスクコミュニケーション強化対策費に20億円を計上した。復興庁は概算要求で20年度当初予算と同額の5億円を挙げたが、4倍の予算額を追加するよう求めた。

 第1原発で出る放射性物質トリチウムを含む処理水を巡り、政府が「適切なタイミング」(菅義偉首相)に処分方針を決めることを見据え、国内外に正確な情報を発信するために予算の上積みが必要だと判断した。

 政府は処理水の海洋放出を検討するが、関係者から風評を懸念する声が絶えない。このため県や市町村による風評対策を支援するほか、本県産など日本産食品の輸入規制撤廃に向けて海外への働き掛けを強める。

 これとは別に、経済産業省は処理水の情報発信に特化した広報事業費として、20年度第3次補正予算案に5億円を盛り込んでいる。

 第2期復興・創生期間が始まる21年度予算案では、一般会計とは別枠の東日本大震災復興特別会計(復興特会)が20年度当初予算比55%減の9318億円となり、初めて1兆円を割った。復興予算の規模が最も大きかった13年度の4兆3840億円と比べると78.7%減で、震災から10年が経過する中でピーク時の2割強まで縮小した。

 復興特会に計上した21年度予算のうち、復興庁が所管する分は20年度当初予算比55.7%減の6216億円と過去最少を更新した。

 復興庁によると、東京電力福島第1原発事故からの本県復興・再生に向けた支援策には約4000億円を充てる。ただ、これらの分には被災者支援や災害公営住宅の家賃負担軽減などの予算は含まれていないという。

 予算額の大幅減の要因として、岩手、宮城両県を中心にインフラ整備が最終盤となり、東北中央道「相馬福島道路」などの大規模事業もほぼ計画通り完了しつつある現状が挙げられる。