東京都民の「放射線理解」...依然進まず 風評など都民意識調査

三菱総合研究所(東京都、三菱総研)が原発事故に伴う風評問題などをテーマに東京都民1000人に行った調査で、放射線の影響により今後、福島県民にがんなどの健康影響が出たり、次世代に遺伝的影響が生じたりすると誤って理解している人が4割に上った。昨年の調査と比べて割合はほとんど変わっておらず、原発事故から丸10年を迎えようとする今も放射線の影響を巡る正しい理解が進んでいない実態が浮き彫りとなった。
三菱総研が22日、発表した。7月22~27日に、20~69歳の男女1000人にインターネットを通じて調査した。2017(平成29)、19年に続き3回目。
がんの発生など健康影響が生じるかどうかを聞いたところ、四つの選択肢のうち「可能性が高い」側の二つを選んだ人が43.7%(前回調査比2.8ポイント減)に上った。次世代に遺伝的影響が生じるかという設問では「可能性が高い」側が41.2%(同0.2ポイント減)を占めた。
国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR=アンスケア)は、原発事故に起因する放射線被ばくでは、今後健康に影響が出たり、次世代に健康影響が生じたりすることは予測されないと報告している。
三菱総研は「最新の科学的な知見の理解が十分には進んでいないことが明らかになった」とした上で「偏見や差別を生まないような対応が引き続き重要だ」と指摘している。
県産食品ためらう4.8ポイント減の17.8%
県産食品に対する意識も調べ「自分が食べる場合、放射線が気になるのでためらう」と回答した人は17.8%(同4.8ポイント減)だった。
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