福島市内「午後10時」...次々に閉店 飲食店・時短営業が始まる

 
営業時間変更を知らせる紙を入り口に掲示する鈴木店長=28日午後6時20分、福島市の「大集酒処 轟座」

 新型コロナウイルスの感染が拡大する福島市で、特措法に基づく年末年始の対応として、酒類を提供する飲食店の時短営業が28日に始まった。例年なら忘年会などでにぎわう同市のJR福島駅前はこの日、飲み歩く人の姿はまばら。「先が見通せず経営は苦しい。いつまで続くのか」。飲食店経営者らは悲痛な声を上げる。

 時短営業を知らせる張り紙や看板が目立ったJR福島駅前周辺の飲食店街。例年とは違い、この日は人通りが少ない静かな夜。営業自粛時間の午後10時を過ぎると、店の明かりが次々と消えていった。

 福島大生が経営している飲食店「Jam(ジャム)」はこの日、午後6時の開店から約1時間が過ぎても来店者は数人ほど。副代表の男子学生(22)=人間発達文化学類4年=は「来店者や自分たちを守るためにも時短を決断した。ただ、今後の不安は大きい」と苦しい胸の内を明かす。

 スタッフ10人全員が同大生。今月、同大の学生からクラスター(感染者集団)が発生したが、感染した学生とスタッフとの接触はないという。PCR検査でスタッフ全員の陰性を確認した上で営業しているが、今月の売り上げは例年の半分程度に落ち込んでいる。

 時短要請に応じた事業者には、協力金として1店舗当たり最大60万円が支給される。しかし、従業員ら約20人を抱える居酒屋「大集酒処 轟座(くるまざ)」の鈴木英和店長・料理長(43)は「協力金は歓迎するが、従業員数や店舗の規模に応じて金額を変えるなど検討してほしかった」と話す。

 例年の年末年始は1日当たり約10件の団体予約があるが、今年は市内の飲食店でクラスターが発生して以降キャンセルが相次ぎ、現在の予約はゼロだという。

 ワインバー「マリアージュ」は要請に応じて閉店を早める代わりに、開店を午後5時に早める。伊藤勝仁オーナーソムリエ(43)は「要請に従わないと、来店者に感染症拡大防止に非協力的な飲食店と見られてしまう可能性がある」と指摘する。福島社交飲食業組合の高橋光子組合長によると、約150店舗が加盟する組合員のほとんどが時短要請に応じたとみられる。高橋組合長は「年末年始は本来は書き入れ時。どの店も苦しい状況だ。営業時間が限られてしまうが、お店を開けるしかない」と話す。

 県の時短要請の期間は来年1月11日まで。午後10時~翌日午前5時の営業自粛を求めた。対象は市内全域の1300~1500店舗。時短の日数に応じて最大60万円が支給される。