コロナ禍乗り越え栄冠 大玉中が最優秀賞、日本管楽合奏全国大会

 
中学校S部門で最優秀賞に輝いた大玉中吹奏学部

 第26回日本管楽合奏コンテスト全国大会の中学校S部門(3~15人)で大玉中が最優秀賞に輝いた。コロナ禍で思うような練習ができない中、生徒に芽生えた「主体性」が好結果をもたらした。

 吹奏学部の高橋こころ部長(3年)は「練習もままならない中、大会に参加できるだけでもうれしかった。応援してくれた人に感謝したい」と喜びを語る。

 新型コロナが全国的に拡大した5月、例年出場していた大会の中止が相次いで発表された。

 「悔しい思いでいっぱいになった」と高橋部長。そこで顧問の矢吹みのり教諭が「生徒に合奏の場をつくれないか」と音源提出やビデオ審査で受けられる大会として見つけたのが同コンテストだった。目標を失っていた生徒は同コンテストを今年の集大成の大会と定め、本格的に練習を始めた。

 しかし、人が集まり、同じ空間を共有することで成り立つ合奏の練習は、コロナ禍では苦難の連続だった。学校での練習時間は1時間程度に限られ、基本は個人練習。9月の音源提出まで全体で合奏できたのは、体育館を借りることができた数日だけだった。

 困難な状況下で生徒は自ら動いた。中学校で練習を終えると、5人の3年生を中心に地区ごとで小学校の校庭などに少人数で集まり、自主練習を実施。家では、それぞれが動画投稿サイトYouTubeを活用して合奏曲を聴き、全体演奏のイメージを膨らませた。

 「全体練習の時間が少なかったが、合わせるとこれまでになく指示が通った。個人の練習が増えても、生徒が自分自身と向き合いながら力を蓄えてくれた成果かもしれない」と矢吹教諭。ソロパートの多い福島弘和氏の「春に寄せて~風は光り、春はひらめく」を合奏曲に選んだことも功を奏し、短期間で仕上がっていったという。

 矢吹教諭は「ソロパートの出来と、合奏できる喜びが伝わり評価されたと思う」と目を細め、高橋部長は「困難な状況でも力を合わせて賞を受けられたことが何よりもうれしく、思い出に残る」と振り返った。コロナ禍を乗り越えてつかんだ栄冠は喜びもひとしおだった。

 日本管楽合奏コンテスト全国大会は日本音楽教育文化振興会の主催で11月21日、動画配信で開かれた。中学校S部門には音源審査による予選を通過した全国の18校が出場した。