タクシー業界『苦境』 コロナ拡大、相次ぐ忘年会中止で利用者減

 
新型コロナウイルス感染拡大防止で忘年会を中止する動きが、タクシー業界を直撃している=福島市・JR福島駅東口のタクシー乗り場

 タクシー業界にとって書き入れ時の12月。今年は相次ぐ忘年会の中止で客入りが少なく、売り上げは厳しい状況にある。新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛が要因とみられ、業界は異例の年末を迎えている。

 県タクシー協会によると、県内のタクシー会社の多くは、売り上げが例年の12月と比べて半減しているという。県外からのビジネス客や病院の通院での利用者も減少し、厳しい経営が続く。担当者は「人の動きがないと成り立たない。県や市町村にはタクシー業界にも目を向けてほしい」と呼び掛ける。

 約30台のタクシーを所有する福島市の大和自動車交通は、客が乗るたびにシート周辺に消毒液を吹き掛け、3日に1回、オゾンの除菌機械で車内を除菌している。森山昇課長(66)は「12月は稼ぎ時だが、今は新規のお客さんを取るのが難しい。先が読めなくて不安だ。生き残るために新型コロナに対応していくしかない」とやりきれない様子だ。

 福島市のJR福島駅前では客を待つタクシーの列が長時間途切れない。駅前で乗客を待つタクシー運転手の男性(72)は閑散とした駅前を見て肩を落とす。「夜から朝まで約12時間働くが、1400円しか稼げていない。例年のこの時期は約3万円稼げるのに」と嘆いた。