「脱はんこ」福島県内自治体検討 本人確認や住民への周知課題

はんこ使用廃止に向けた行政手続きに関する政府の見直し方針を受け、県内の自治体でも、廃止に向けた具体的な検討が進む。「住民の利便性向上につながる」として既に一部の手続きで廃止を決めた自治体もあるが、本人確認や住民への周知など、課題を指摘する声も上がる。
「国からマニュアルが示されればさらに押印省略を進めたい」。行政手続き約1020件のうち、約870件の省略を決めた本宮市。高松義行市長は11月下旬、記者会見で対象拡大の検討を進める考えを示した。手続きの省略は来年1月から。具体的には施設の利用申請、国民健康保険の給付申請などで押印の代わりに署名などを求める。
福島市では、木幡浩市長が20年10月に「脱はんこ」を宣言。約1300件の手続きについて、省略が可能か検討している。
郡山市は押印省略に関する規則を20年4月に施行し、現在は約4300種類の手続きのうち約3500種類で押印なしでの手続きが可能。喜多方市も印鑑証明などの手続きの一部で省略している。
県は、県民からの届け出で、規定がなかったり必要性が乏しい約300件について廃止を検討するよう各部局に通達した。県の規定で押印が必要な約1000件についても廃止の可否を検討するよう求めている。
県内13市では「業務効率化や、新型コロナウイルス対策にもつながる(須賀川市)」「将来的な手続きのデジタル化につながる(二本松市)」など、前向きに検討する市が多い。
一方で、本人確認や住民への周知など、課題を指摘する意見も。
福島市の担当者は、押印を省略することで、代わりに本人確認のため免許証が必要となるケースなど「かえって面倒になる場合もある」とし、省略可能な手続きの精査を進める。
本宮市の担当者は「省略の可否をどうやって市民に周知するかが課題」とした上で、「一部の手続きでは引き続き押印が必要になる。省略の可否がはっきりしない場合には印鑑を持参してほしい」と話す。
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