福島の図書館に沼津から点字版タイプ寄贈 ボランティアら活用

 
寄贈された「カニさん」を大切に使っていきたいと話す阿曽館長

 静岡県沼津市の沼津市立図書館で使われずに眠っていた点字版タイプライター「ライトブレイラー」が福島市の点字図書館に贈られ、ボランティアの点訳活動を支えている。点字図書館にあった同型の装置が故障して使えなくなったことを知った関係者が、二つの図書館の間を橋渡ししたことで贈呈が実現した。点字図書館の阿曽幸夫館長(63)は「本当にありがたい。大切に使っていきたい」と喜ぶ。

 ライトブレイラーは点字を打点する際に使われ、1文字打つたびに横に動くことから、「カニさん」の愛称で親しまれている。点訳された本や録音図書の表紙や背表紙などに貼る点字シールなどを作るのに必要で、点字図書館に欠かせない存在だった。

 しかし約5年前、2台あったうちの1台が故障。10年以上前に販売中止になっているため修理もできなかった。

 全国100カ所以上の図書館を巡る鶴見大(神奈川県)の元木章博教授(53)は点字図書館が困っていることを知り、沼津市立図書館で活動している同市の視覚障害者ボランティア団体「沼津木星会」に連絡。使っていないライトブレイラーを点字図書館に寄贈するよう依頼してくれたという。

 点字図書館に9月に寄贈され、ボランティアらが活用している。元木教授は「点訳作業はほとんどがボランティア。ボランティアの方を支えるため、『カニさん』を役立ててほしい」と語った。