実績積み信頼得てきた 医療機器開発支援センター長・滝沢真己氏

 
センターの知名度向上へ意気込みを示す滝沢氏

 開所から5年目を迎えたふくしま医療機器開発支援センター。センター長を務める滝沢真己氏(64)=ふくしま医療機器産業推進機構専務理事=に実績や展望を聞いた。

 ―センターの利用者数などの現状は。
 「県内外の医療機器メーカーなど約100社(県内4割、県外6割)がセンターを利用しており、うち7割がリピーターになっている。試験の実施件数は年々増え、それに伴い売り上げも伸びている」

 ―利用が伸びた要因は。
 「開発に5年、10年の長いプロセス(過程)を要する医療機器の性質上、いくら設備が充実していても、新規で評価を任せてもらうまでのハードルは高く、一朝一夕にはいかない。メーカーの信頼を勝ち取るために実績を積み、数年をかけて信頼性が担保されるようになってきた。国際認証を取得したことも信頼を得る大きな要素になった」

 ―2019年3月までに取得した「医療機器GLP」「AAALAC」「ISO/IEC17025」の三つの国際認証にはそれぞれどんな意義があるのか。
 「生物試験関連のGLPとAAALAC、電気試験などに対応するためのISOと、異なる分野の国際認証をそろえる公的施設は国内でほかにない。特にGLPは国際的に信頼性の高さが認められており、クラスの高い医療機器ほど認可時にGLP適合施設での試験結果を求められる。実験動物の扱いに関するAAALACを取得しているのも全国では三十数カ所程度だ」

 ―新型コロナウイルス感染拡大の影響はあるのか。
 「試験に参加するはずの医師が出張できなかったり、リモートワークにより企業側の手続きに時間がかかったりするなど、本年度に予定していた試験が新年度にずれ込むケースがあった。試験自体が中止になったわけではないが、スケジュールの遅れで売り上げに若干の影響が出ている」

 ―これまで製品化に至ったケースはあるか。
 「センターで医療機器試験を行った企業へのアンケートで、回答があった43社(回答率4割)のうち16社がその後、製品化に至ったと答えた。県内では内視鏡や人工呼吸器などの製品化で実績が出ている」

 ―利用者増加に向けた新たな取り組みを聞きたい。
 「福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想と連動して、昨年度から浜通りの3社に医療・福祉機器の改良を支援している。県内の医療系専門学校の実習で施設を活用してもらうなど県内の学校との連携も進めている。タイの企業とのマッチングなど海外への販路開拓、企業へのコンサルティングにも着手している」

 ―今後の展望を。
 「知名度を上げて試験を獲得し、売り上げを伸ばしていく。大学や関係機関との連携にも引き続き力を入れる。医療機器の市場拡大が続く中、本県の医療機器産業を伸ばすための支援に尽くしたい」