双葉・伝承館に「原子力PR看板」 福島県、負の遺産...記憶継承

 
東日本大震災・原子力災害伝承館への設置に向け調整が進められている看板

 県が、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の記録施設「東日本大震災・原子力災害伝承館」(双葉町)に、双葉町に掲げられていた原子力推進に関する看板の実物を展示する方針を固めた。複合災害から丸10年の節目に向けて原子力政策の「負の遺産」を展示することで、記憶の継承につなげる。県が5日までに、運搬や設置に関する業務委託の一般競争入札を公示した。

 看板には「原子力 明るい未来の エネルギー」と記され、約四半世紀にわたって町内に掲げられていた。原発事故後、経年劣化を理由に撤去され、文字パネル56枚が県立博物館(会津若松市)に保管されている。

 看板は原発と共に発展した町の標語として掲示されていたが、事故後は「安全神話」に陥った過去の象徴として注目を集めていた。伝承館への設置を求める声があったが縦2メートル、横16メートルと大型のため見送られ、写真パネルが設置された経緯がある。

 県は伝承館1階の東側テラスでの展示を計画。架台を製作し、解説用のパネルを設置した上で文字パネルを掲示するという。設置の時期や期間は未定。看板と同じ場所に旧双葉町役場で保管されている車両の展示も計画されており、津波で被災した同町消防団の車両が設置されるとみられる。