「スマート農業」新技術!3D地図+AI...自動運転最適ルート

福島高専などは小型無人機「ドローン」を使って作成する高精度の3次元(3D)地図とAI(人工知能)を組み合わせ、自動運転に向けた最適なルートを計算する技術を開発した。先端技術を活用した「スマート農業」実現への取り組みで、進行中の運行制御技術と合わせてトラクターなど農機の完全自動運転を目指す。
芥川一則教授の研究室と民間3社が研究を進めており、データ取得は大和田測量設計(広野町)、運行制御はエイブル(大熊町)、AI活用はアリスマー(東京都)が担っている。
3D地図はドローンに搭載したレーザースキャナーで取得した網目状の10センチ単位のデータを基に作成する。高さなどの誤差は5センチ程度で、国土地理院の航空レーザー測量と比べても誤差が小さいことが特長。地形や高低差、障害物などを詳細に画面上に再現でき、これを基にAIがルートを設定する。
研究を進めている自動運転については、日本版の衛星利用測位システム(GPS)を担う準天頂衛星「みちびき」の測位情報と連動させる計画で、福島ロボットテストフィールド(南相馬市)で農機の自動運転の実証試験を実施する。
開発のきっかけは東京電力福島第1原発事故で増えた浜通りの耕作放棄地。芥川教授は農業復興を思い描いており、車庫を出たトラクターが田んぼで作業をし、車庫に戻るなど集落単位での技術の活用につなげたい考えだ。この技術は農業のほかに、行政区単位でのごみ収集やゴルフ場でのカートの自動運転に応用が可能で、芥川教授は「廃炉作業などにも生かせる」と話している。
また、高精度の3D地図はドローンを使った配送や台風などによる浸水予測などにも活用が可能。芥川教授は研究開発に当たって地元企業の参入も期待しており、「住民帰還が進む浜通りでのスーパーシティ構想も不可能ではない。行政とも連携して復興の大きな力になれる」と見据えた。
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