「りゅうぐう地下物質」成分分析に世界初成功 会津大研究チーム

 
りゅうぐうの模型を手にデータ解析の成果について語る北里宏平会津大准教授

 会津大などの研究チームが、小惑星りゅうぐうの地下物質の成分分析に世界で初めて成功した。地表部分に比べて水分がわずかに多く、りゅうぐうの表面が太陽光などで加熱、脱水状態となったことなどが裏付けられた。同大は、探査機「はやぶさ2」が持ち帰った試料の分析結果と組み合わせることで、地球の水や生命の起源に迫ることができると期待している。

 研究成果は日本時間5日、英科学誌ネイチャー・アストロノミーに掲載された。論文の主著者の北里宏平准教授(40)によると、今回の分析は「近赤外分光計」と呼ばれる機器を活用し、地下物質を採取するためりゅうぐうに人工クレーターが作られた2019(平成31)年4月から同年10月ごろまでの期間実施していた。

 この機器は、小惑星が反射したさまざまな波長の光の強さを調べることで物質の性質を見分ける。分析の結果、地下物質が地表よりもわずかに水分が多いことに加え、地下物質でも地表のように加熱、脱水があったことが分かったという。

 北里准教授は、かつてりゅうぐうが、より大きな小惑星(母天体)の一部だったころ、内部からの放射線によって水分が加熱された痕跡ではないかとみている。隕石(いんせき)などの中には、完全に水が失われた状態になっているものもある。北里准教授は「中途半端なところで加熱が止まり、水が残る不思議なこともあると分かった」と話した。

 北里准教授は「学生たちとさらに研究を進め、地球の水や生命の起源をひもときたい」と意欲を示した。会津大では大竹真紀子教授、平田成上級准教授、本田親寿准教授、山田竜平准教授も論文の共著者になっている。