相馬・松川浦生息の天然ニホンウナギ...産卵時「外海移動」確認

 

 福島大環境放射能研究所の和田敏裕准教授(42)=魚類生態学=らの研究チームが、相馬市の松川浦に生息するニホンウナギの行動を1年4カ月にわたって観察し、天然のウナギが産卵のため海に出て行く過程を確認することに初めて成功した。今回の研究成果が、絶滅危惧種に指定されているニホンウナギの資源量回復につながることが期待される。同大が6日発表した。

 研究成果は科学雑誌「ジャーナル・オブ・フィッシュ・バイオロジー」に昨年10月18日付で発表した。ニホンウナギは、5~15年程度川などで生活した後、海に向かい、日本から約2000キロ離れたマリアナ諸島付近の海域で産卵し一生を終える。しかし、その生態には謎が多く、詳しく解明されていないのが実情だ。

 松川浦で取れた天然ウナギ20匹と別の場所から持ち込んだ養殖ウナギ12匹に超音波発信機を付け、2016(平成28)年に松川浦に放流した。その上で浦の中に28台の受信機を設置し、ウナギがどう動くか調べた。

 その結果、放流時に十分成長していた天然ウナギの1匹が、水温が13度以下に低下した11月上旬の夜間、引き潮に乗って外海に出ていったことが分かった。天然ウナギが産卵のため海域に出たと考えられる初の観察事例となった。

 このほか、天然ウナギは塩分が異なる浦の中を時間や季節に応じて移動している実態も明らかになった。

 県の協力などを得て松川浦や周辺河川を調べたところ、多くのウナギが生息していることも分かった。和田准教授は6日の会見で、「河川と(淡水、海水が混ざり合う)汽水域、沿岸海域がつながる松川浦のような自然環境はウナギの成育にとって重要」と指摘し、さらなる生態調査を進める方針を明らかにした。