夢は生産から加工まで...目指せザーサイ名産地 喜多方・高郷の農家

 
前年より広くした畑で、ザーサイを収穫するメンバー=昨年12月、喜多方市高郷町

 喜多方市高郷地区の農家らが、国内生産がほとんどないザーサイの産地化を目指し、栽培に力を入れている。「高郷産のザーサイを作りたい」という思いで始まった活動は5年目。本年度は2度目の出荷で、昨年度の約4倍以上の量を業者に出すことができた。将来的には生産から加工までを地元で行うという夢を持ち、安定収穫へ試行錯誤が続く。

 栽培に取り組んでいるのは、地元の生産者らでつくる「たかさと元気な農村プロジェクト実行委員会」。当初は農都交流を手掛けていたが、それに代わる目玉事業を探していた。ザーサイに目を付けたのは偶然だった。伊達市の八島食品が国産ザーサイなどを販売していることを知り、その現状を聞き「まずは挑戦」と、栽培に乗り出した。

 ザーサイは、主に食べられるのはこぶ状の茎部分。コリコリとした食感で、味付けして味わうのが一般的だが、そのほとんどが中国産だ。同社によると、ザーサイ栽培は15~20度程度の温度が必要で、生育に70~90日程度を要するため、国内の気候で生産するのは難しいとされている。

 高郷地区は市中心部から離れた場所で、コメや野菜農家なども多く生産者の高齢化も課題となっている。実行委員会長の橋谷田弘由さん(67)は、雪が降る高郷地区での栽培は難しいかもしれないと理解した上で「ゼロからのスタートだが、(ザーサイ栽培の)成功例として全国に高郷をPRし、農業の楽しさを知る人が増えれば」と前向きに取り組む。

 栽培を始めて3年ぐらいはザーサイにこぶができないなどうまく育たず、「心が折れかけた」という。手探りで各農家がどんな土や肥料を使ったのかなどを記録し、うまく育つ条件を模索。昨年は9月ごろに前年の倍近い合計約15アールの土地で栽培を始めて12月に収穫し、同社に約140キロ(一昨年は約32キロ)が出荷できた。橋谷田さんは「種をまく時期や収穫時期を変えたのが良かったのではないか」と話す。

 収穫作業では、メンバーが出荷できるものと、できないものを選別。出荷できなかった規格外の茎部分や葉を6次化商品に活用することも考えている。将来的な販売を見据え、添加物を加えないみそ漬けやピクルスなどの商品も検討中だ。

 栽培の安定化には時間がかかるが、橋谷田さんは「『高郷=ザーサイ』と言われるように栽培を続け、他地域にも同じ動きが広がればいい」と思い描く。