【コロナ急拡大・経済への余波】キャンセル1000件...スキー場直撃

猪苗代町のスキー場「リステルスキーファンタジア」。県が県民に外出自粛を要請してから初めての日曜日となった17日は、週末とは思えないほど利用客が少なく、ゲレンデの白さが際立った。「(コロナ禍で)大打撃を受けている」。同スキー場支配人の高野弥寸志さん(58)は現状を明かす。
昨年12月26日に今季の営業を開始した同スキー場。例年であれば首都圏などからのスキーヤーらでにぎわうが、同月の利用客は例年の3割ほど。年が明けた今月も、緊急事態宣言が再発令された影響から例年の約1割に落ち込む。
「県内にも外出しづらい雰囲気が広がっているのでは」と高野さん。今後はスキー場の営業を金、土、日曜日と祝日に限定する予定だという。
スキー場に隣接するホテルリステル猪苗代も、利用客の減少から週末や祝日以外をほぼ休館とすることを決めた。宿泊者の6~7割が首都圏のため、「Go Toトラベル」の停止などでキャンセルが相次いだためだ。昨年12月28日~今月11日でキャンセルは約1000件(4000人)に上ったといい、宿泊部副支配人の杉山佳之さん(47)は「正直厳しい。スタッフも先行きに不安を感じている」と話す。
首都圏の利用客来ない
「首都圏のスキーヤーが来ない」。南会津町で3カ所のスキー場を運営する第三セクターみなみあいづ営業副本部長・企画営業部長の湯田弘信さん(60)は顔をしかめる。
首都圏をターゲットにしてきた同町のスキー場。昨年12月のオープン当初は例年より2割増で利用客が増えていた。しかし、緊急事態宣言の再発令後、半分以下に減っているという。
同町の保養施設ホテル南郷は、2月7日までの休館が決まった。今月末まで予約が満室だったが、全てキャンセルとなり、関係者は隣接する南郷スキー場への影響を懸念する。湯田さんは「観光業など、影響を受けるあらゆる業種への支援をお願いしたい」と求める。
いわき市のスパリゾートハワイアンズは9日から、緊急事態宣言を受けて宿泊者専用の無料送迎バスの運行を休止している。宿泊では首都圏の利用客が全体の8割を占める同施設にとって痛手だが、利用客の安全を考え決めたという。
県の時短要請を受け、17日からは日帰り施設の営業も2時間短縮した。担当者は「コロナ収束までは旅行もできない、といった風潮が続くと人の動きも鈍くなる」と懸念する。
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