黒潮に乗って...オニカマス 稚魚33種確認、いわきの砂浜海岸調査

 
調査で見つかった稚魚(アクアマリンふくしま提供)

 アクアマリンふくしま(いわき市)は、福島県沖水域を利用する稚魚など種の解明を目指し、いわき市泉町の旧いわきサンマリーナで調査を進めている。2017(平成29)年度の調査で、サンマリーナには東北海域で生息域外種のオニカマスやクエ、フエダイの稚魚がいることを初めて発見するなど成果が上がっている。

 同館によると、福島県の稚魚の生育場としての機能がある砂浜海岸では、稚魚の生息実態が明らかになっていなかったという。

 本県沖は親潮と黒潮が交わる潮目の海域で、二つの海流の影響を受けて独自の生態系や稚魚の分布がみられると予測されるため、17年4月から毎月1回調査を実施した。
 
 サンマリーナは東日本大震災の影響で一部を除き立ち入りができなくなっており、湾内にはアマモなどの海草が多く生息する砂浜海岸となっているため調査場所に選ばれた。

 同館は17年度、アユやシロメバル、クロダイなど計33種1869個体の稚魚を確認した。オニカマスなど初めて記録した個体は黒潮に乗って本県まで来たと考えられるという。18年度以降も調査を継続している。

 17年度のデータをまとめた論文が昨年12月20日、日本生物地理学会誌で公表された。調査を担当した同館の森俊彰さん(36)は「藻類が多く、稚魚にとって大型捕食者から見つかりづらく豊富に餌があって生息しやすい『海の保育園』のような役割を果たしている。砂浜海岸の魚類の生育場としての重要性を環境教育などに役立てたい」とコメントした。