新鮮野菜を企業に配達「トラックマルシェ」 いわき・ファーム白石

 
愛情込めて育てた野菜を販売する白石さん(左)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う飲食店の時短営業などで野菜の出荷量が減る中、いわき市小川地区で農業を営むファーム白石の白石長利さん(39)は、市内の企業を回って野菜を販売するトラックマルシェを始めた。「コロナ禍で生まれた新たな販売方法。地元の新鮮な野菜を食べてほしい」と意気込む。

 白石さんは大学卒業後に家業を継ぎ、8代目として先祖代々守ってきた土地で農業を営んでいる。祖父の名前が付けられた里芋「長兵衛」をはじめ、大根やブロッコリーなど年間15種類の野菜を栽培する。

 手塩に掛けて育てた野菜を市内外の飲食店に卸しているが、新型コロナの影響に伴う飲食店の時短営業や休業などで例年より注文量や出荷量は半減した。昨年は暖冬により野菜が豊作だったため価格の下落も重なった。

 「コロナ禍でも希望はあるはず」と、発案したのが市内の企業に事前に電話で営業し、注文を受けた野菜を販売するトラックマルシェだった。事前に注文個数を把握して販売時間を短縮、屋外販売や購入者の個人情報を確認するなどして感染対策につなげる。

 20日には自前の軽トラックで同市の介護施設「ケアステーション和奏(わかな)」を訪れた。荷台には里芋や白菜、ネギなど新鮮な野菜が盛りだくさん。利用者や職員が注文した野菜を買い求めた。同事業所では、利用者に振る舞う食事に白石さんの野菜を使用しているという。

 「販売先のコースを確立することで、他の個人生産者も参加できる体制を整えたい」と白石さんは話す。生産者と消費者の顔の見える関係を構築し、コロナ禍でも農業の魅力発信に挑戦する。問い合わせは白石さん(電話080・2810・4033)へ。