映画「約束のネバーランド」ロケ地、天鏡閣魅力発信 原作そっくり

猪苗代町の国指定重要文化財の洋館「天鏡閣」が、昨年12月から公開されている映画「約束のネバーランド」のロケ地の一つとなったことで話題となっている。上映後は映画や原作のファンが訪れており、関係者は明治時代の雰囲気を現代に伝える西洋建築の魅力発信につながればと期待する。
映画は、同名の人気漫画の実写化作品で、孤児院で育てられていた子どもたちが、自分たちの本当の身の上を知り、全員で脱出を図るという物語。女優の浜辺美波さんが主役を務め、北川景子さんや、城桧吏さんらが共演する。平川雄一朗監督がメガホンを取った。作品では、物語の舞台でもある孤児院の外観シーンなどを同館で撮影した。
作品の公式サイトなどによると、平川監督の指示を受けたスタッフが原作そっくりで西洋の屋敷を思わせる建物を全国から探し、天鏡閣をロケ地に選んだ。「天鏡閣のような貴重な建物で撮影ができたのは大きかった。美しさも再現度も申し分なかった」という製作側の声も紹介している。
同館によると、撮影は2019年8月末ごろから4日間の日程で、同館にセットを増築して行われた。長沼あけみ館長は「文化財である館を傷つけないように撮影するスタッフの気遣いが感じられた」と撮影当時を振り返る。また「これまでも館を使ったドラマや映画の撮影はあったが、西洋の世界観を持った作品は初めて。(映画を機に)改めて館の魅力が発信されればいいなと思う」と話す。
作品公開後は親子連れが訪れたほか、東京都内で行われた公開初日舞台あいさつを見た翌日に、同館をカメラに収めていった名古屋市の男性ファンもいたという。館の受け付けには現在、同作品のポスターや出演する浜辺さんと北川さんのサインが飾られている。長沼館長は「雪が解けて新型コロナウイルスが収束したころには、多くの人に見に来てほしい」と話している。
天鏡閣 有栖川宮威仁(ありすがわみやたけひと)親王が、1908(明治41)年に別邸として建てた洋風建築。皇太子裕仁親王(昭和天皇)が24(大正13)年に新婚旅行で一夏を過ごしたことでも知られる。79(昭和54)年、国の重要文化財に指定された。
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