南会津郡医師会長・馬場俊吉氏に聞く 感染拡大阻止へ「総力戦」

 
地域が一体となって感染症対策を見つめ直す重要性を呼び掛ける馬場会長

 特別養護老人ホーム田島ホームで県内最大の新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染者集団)が発生した南会津町。町内で診療所を運営する馬場俊吉南会津郡医師会長(70)が28日、福島民友新聞社の取材に、郡内の医療体制の現状などを語った。

 ―特別養護老人ホームでクラスターが発生した。
 「感染症対策を講じている中で生じた。田島ホームには県からの災害派遣医療チーム(DMAT)が派遣され、感染拡大を食い止めようと関係者が懸命に対応している。感染拡大に関して誰かを責めても意味がない。今回の事案を教訓に各個人が感染症対策を見つめ直す必要があると思う」

 ―高齢者が多く暮らす町内で介護サービスなどへの影響が懸念される。
 「介護施設の休止などで厳しい状況が続いていると聞いている。かかりつけ医は高齢の患者らとしっかりコンタクトを取り、健康観察を進めている。1人暮らしの高齢者に対しては迅速な対応ができるか心配な部分がある。行政と医療、介護従事者が情報共有を図り、不安の払拭(ふっしょく)を急がなければならない」

 ―郡内唯一の病院、県立南会津病院が外来診療などを休止している。
 「住民に負担を強い、医療体制に不安が広がっている。郡内の内科や整形外科など診療所の医師たちが連携を取り、郡内の医療体制を補完しようと努めている。各地の診療所の医師が新型コロナに感染した場合は医療崩壊も考えられる。住民全員が感染症対策への意識を高める必要がある」

 ―新型コロナや医療体制の見通しは。
 「時間の経過とともに感染拡大は必ず落ち着く。地域が一丸となって新型コロナに立ち向かい、支え合わなければ医療体制は元には戻らない。医療や介護従事者への誹謗(ひぼう)中傷があってはならない。現場で闘う関係者を支援する空気をつくっていくことが大切だ」