ワクチン接種準備「情報ない」 新型コロナ、各市は計画手探り

 

 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種で、実務を担う市町村が接種会場や医療人材の確保、接種券の発行などの準備を進めている。ただ、ワクチンがどのくらい届くのかなど国からの情報が不足する中、調整が進んでいない現状もある。各市町村は関係機関と連携して、65歳以上から始まる予定の住民接種に向け、手探りのまま態勢整備を急いでいる。

 「ワクチンがいつ、どのぐらい入るかを早く示してもらわないと、あるところ以降の議論が進まない」。郡山市の塚原太郎市保健所長は国に早期の対応を求める。

 市は3カ所で集団接種を始める計画で、1会場当たり少なくとも13人の医師や看護師、事務員が必要とみる。これに加え診療所などの個別接種会場も準備する予定。市の試算では、接種開始時点で30カ所の個別接種会場が必要で、高齢者のインフルエンザワクチン接種を行う市内医療機関に協力を求める方針だ。塚原所長は「国が考え方を示すのを待っていると対応は遅くなる。具体的な部分は分からなくても市が責任を持って(仕組みを)作らないといけない」と強調する。

 会津若松市は医師確保に向け医師会と連携を模索。担当者は「医師は診療など日常的な業務を抱えており、負担が出ないよう、できるだけ丁寧に調整したい」と話す。接種会場の候補はあるが、ワクチンの提供時期や量など全体的な情報を把握できないため、具体的な交渉まで進んでいない。担当者は「時期が変わればそれだけ余計な調整も必要になる。正確な情報を早く出してほしい」と気をもむ。

 「ワクチンの量や時期が分からず具体的な計画が立てられない。さまざまな状況を想定し準備しているが、課題が多く手探り状態」。福島市の担当者も現状を語る。医師や看護師、接種会場の確保のほか、態勢整備にかかる財源も課題。国の補助金もあるが、担当者は「計画を細かく洗い出すと、薬剤師の人件費やワクチンの配送費などがかさみ、財源が厳しくなるのでは」とみる。

 いわき市は、医療機関や公共施設を軸に接種会場を検討している。ただ、担当者は「コロナ対応で医療機関が厳しい状況にある中、会場になれば、さらなる負担を強いることになる」と課題を挙げる。「インフルエンザのように、かかりつけ医で接種できることが望ましいが、供給体制が見通せない中、多数の会場を確保することは難しい」とする。