福島県当初予算案、中小向け融資枠100億円に 新型コロナ打撃受け

 

 県の2021年度当初予算案の概要が29日、分かった。新型コロナウイルス感染症対策では、ワクチン接種に向けた体制整備の経費を計上するほか、売り上げが減少した中小企業向けの制度資金の融資枠を本年度の10億円から100億円に拡大するなど、感染症対策と社会経済活動の維持・回復を両立して進める。

 ワクチン接種では、接種主体となる市町村との調整のための説明会の開催や、専門的な相談に対応するためのコールセンターの設置を想定。医療従事者への特別手当の支給や診療検査体制の強化、入院病床の確保、軽症者らを受け入れる宿泊療養施設の借り上げなど既存の対策も継続する。

 社会経済対策では、融資枠の拡大に加え、サプライチェーン(部品の調達・供給網)の見直しに必要な調査費の一部を補助する方向。県産酒の流通促進に向けたクーポン券の発行や福島空港のビジネス利用を進める補助事業なども検討する。

 さらに、新年度は「第2期復興・創生期間」の初年度となるため、新型コロナ対策と両輪で復興・創生も進める。避難地域への移住定住の促進に向けては、国や県、12市町村が一体となった体制を構築するため、ワンストップの相談窓口などを設置するほか、移住支援金の給付を検討。ICT(情報通信技術)を活用した地域包括ケアシステムの構築や廃炉関連産業の集積にも取り組む。

 また、サイクリングルートを設定して自転車を活用した健康づくりを推進するほか、医師確保に向けては、福島医大内に設置している「地域医療支援センター」の機能を強化するなど、県政の重要課題の解決を図る予算も盛り込む方針だ。

 当初予算案の規模は1兆2000億円台で調整。復興・創生分が2000億円台、通常分が1兆円台で、復興事業の進展に伴い、震災後(12年度以降)で最少だった本年度の1兆4418億円をさらに下回る見込み。