郡山の飲食店爆発から半年、進む復旧と見えぬ補償 住民に危機感

 
事故から半年が過ぎ、更地になった現場。周辺では住宅や店舗の修繕工事が進む=29日

 郡山市島の飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」で昨年7月に1人が死亡、19人が重軽傷を負った爆発事故は30日で発生から半年を迎えた。現場周辺の住宅や店舗の多くでは復旧が進んでいる一方、補償はいまだ不透明な状態が続いている。

 「建物など目に見える再建は進んでいるが、補償の話は一つも進んでいない」。自宅が大規模半壊の判定を受けた男性(71)は徐々に住民が戻ってきた現場周辺を見渡しながらつぶやく。昨年10月末に自宅の修繕工事を終え、市が準備した市営住宅から自宅に戻ったが、修繕費用は自身の保険で賄った。

 事故前の生活を取り戻しつつあるが、自宅で爆風を受け、軽傷を負った妻は事故後、わずかな音にも過剰に反応するなど心の傷は癒えないまま。「時間が過ぎるにつれて、このまま事故が忘れられてしまうのではないか」。男性は危機感を募らせる。

 開店間もない店舗が事故で全壊したフォトスタジオのオーナー(33)は、元の場所での営業再開が見込めないため市内の別の場所への移転を決めた。「物的被害のほかにも臨時休業分の収入に対する補償がないと正直厳しい」と口にする。

 「しゃぶしゃぶ温野菜」をチェーン展開するレインズインターナショナル(横浜市)と店舗を運営する高島屋商店(いわき市)は爆発事故後、責任の所在が判明するまでの暫定措置として、被害対応基金を設立したが、支払いは治療費や見舞金、保険対象外の物的損害にとどまっている。

 レインズインターナショナルによると、事故で休業を余儀なくされた現場周辺の店舗の休業補償などは個別に対応しているという。具体的な店舗数や損害額などについては「公表を差し控える」としている。