「越冬トマト」甘み追求 喜多方で水耕栽培、ブランド化目指す

 
水耕栽培しているトマトを手にほほ笑む渡部さん

 渡部ふぁーむ(喜多方市)の渡部恵さん(45)は、会津地方では珍しい水耕栽培でトマトを育てている。昨年末に「水耕栽培士」の資格を取得。学んだ知識を生かし、甘みの強いトマトを育てようと試行錯誤する。

 水耕栽培は、土を使わずに水と液体肥料で植物を育てる農法。土壌の変化に影響されないため野菜の質が安定する一方、ハウスや暖房器具などの設備が必要になる。JA会津よつばによると、冬の寒さが厳しい会津地方で水耕栽培をするには多額の設備投資が必要になるため、土壌栽培がほとんどという。

 渡部ふぁーむは土壌栽培のキュウリが主要品目。渡部さんは2年前、喜多方市の農家から水耕栽培の施設を譲り受けたことをきっかけに、30アールでトマトの水耕栽培を始めた。

 社内はもちろん、周囲にも水耕栽培のノウハウを持っている人がいない中でのスタート。苦労もあったが、1年目から当初の期待を大きく上回る売り上げがあった。

 「知識を身に付ければ、もっと売り上げを伸ばせるかもしれない」。そう考えてインターネットで調べるうちに、水耕栽培士の資格を知り、挑戦を決意。専門用語が分からず勉強の難しさを痛感することもあったが、約1年後に初挑戦で合格した。

 栽培するのは中玉トマトの「フルティカ」で、11月から翌年6月まで出荷できる「越冬トマト」としてブランド化を目指す。資格を取ったことで「トマトの構造が分かった」という渡部さん。知識を生かして甘さを追求し続ける。