コロナ対策に912億円 福島県当初予算案、復興・創生分は半減

 

 内堀雅雄知事は2日、1兆2585億1400万円に上る県の2021年度一般会計当初予算案を発表した。20年度比で1833億2200万円減り、東日本大震災後の当初予算(12年度以降)で最少。新型コロナウイルス感染症対策に911億8700万円を割き、「通常分」が震災後最多の9999億8000万円に上った一方、「復興・創生分」は2585億3400万円でほぼ半減した。

 新型コロナ対策では、新規事業としてワクチン接種に向けた体制整備に8千万円を計上。接種主体となる市町村向け説明会の開催や、専門的な相談に対応するコールセンターを設け円滑な接種体制を構築する。医療提供体制の整備に加えて感染拡大で影響を受ける事業者支援も継続し、感染症対策と社会経済活動の回復を両立して推し進める。

 復興・創生分は大規模なハード事業の完了や除染事業の進展で5年連続の減少となった。21年度は第2期復興・創生期間の初年度に当たるため、県は、避難指示が出るなどした12市町村の復興の加速化を引き続き重視する。県外から12市町村へ移住・定住した人に支援金を交付するほか、観光資源の磨き上げなどを通じて人の呼び込みも図り、新たな人材の定着と消費の拡大を狙う。

 県は復興・創生に関する事業を八つの重点プロジェクトにまとめた。このうち「しごとづくり」には853億3200万円を配分、新産業の創出・集積や既存産業の振興を推進する。浜通りの産業復興の柱となる福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想関連には377億円を計上。復興関連のインフラ整備が終了し、本年度の876億円から499億円減少した。

 内堀知事は記者会見で「3月で震災と原発事故から10年を迎えるが、復興はいまだ途上だ。東日本台風(台風19号)や新型コロナなど数多くの難局を乗り越え、福島の新しい未来をつくり上げる」と強調した。

 全体の公共事業費は20年度比1599億4300万円減の1813億6100万円で、3年ぶりの減額。通常分では、防災力強化に対応する事業費などが206億8800万円増えた一方、東日本台風などからの復旧費が298億8700万円減少した。当初予算編成後の県債残高は1兆6131億円で、642億円の増額を見込んでいる。