大熊町、初の診療所開所 所長の山内さん「帰還ハードル下げる」

 
「大熊町民の健康問題に向き合う」と語る山内医師

 東京電力福島第1原発事故による避難指示が解除された大熊町大川原地区で2日、事故後初の医療機関となる町立の診療所が開所した。初出勤した所長で医師の山内健士朗氏(36)は「住民の声にしっかりと耳を傾け、大熊町民の健康問題に向き合っていきたい。この診療所が帰還のハードルを下げる役割を担えるよう力を尽くしたい」と抱負を語った。

 山内氏は福島医大医学部地域・家庭医療学講座、南相馬市立総合病院総合診療科に所属。家庭や地域などの環境に応じて医療を行う総合診療医・家庭医を専門とする。初日は町民5人を診察した。吉田淳町長は「住民に少しでも安心を与えたい」と述べた。

 診療所は内科のみで、大川原地区の福祉関連施設の一部を改修し、診察室や処置室などを設けた。薬は痛み止めなどの簡易な薬を除き、楢葉、広野両町の薬局を通じて処方される。町によると、1月1日現在の町内居住者数は285人。

 2、3月は山内氏とDMAT(災害派遣医療チーム)の看護師1人が診療し、4月からは山内氏と町採用の看護師らが対応する。診療日は毎週火曜日で、時間は午前9時~正午。住所は大熊町大川原字南平1920の1。診療は原則予約が必要となる。問い合わせは町保健福祉課保健衛生係(電話0240・23・7419)へ。