画面越しにリハビリ体操や栄養講座 いわき市がタブレット貸し出し

 
自宅にいる高齢者とオンラインでつなぎ、リハビリ体操を教える体操指導士(いわき市提供)

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、オンラインを活用した介護予防の取り組みが加速している。自粛生活が続き、筋力低下や低栄養などで「フレイル」と呼ばれる高齢者の機能低下が危惧されているからだ。いわき市ではタブレット端末を使ったリハビリ体操などが行われており、担当者は「オンラインでつながることで心身の健康維持につなげてほしい」と期待する。

 いわき市は昨年秋から、タブレット端末を市民に貸し出し、介護予防の事業を始めた。市によると、タブレット端末を活用した介護予防事業は県内初。介護保険を担当する市職員は「外出自粛の影響で運動不足や体調不良、人と会えずにうつに陥るケースがある」とし、事業効果を望んでいる。

 事業は、1人につき1台のタブレット端末を貸し出し、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」でリハビリ体操のほか、栄養講座などを行う8日間のプログラムだ。

 市は昨年秋に事業への参加を募集。住民でつくる永崎女性の会など4団体が参加している。初回に端末やアプリの使い方を学んだ後、2回目以降は自宅で画面越しに、講師からリハビリ体操や栄養の指導を受けている。

 会長の高久香代子さん(72)にとってタブレット端末の操作は今ではお手のもの。「自宅でオンラインでつながり、画面越しにみんなの顔を見て話せるのが楽しい」と声を弾ませる。「初めての経験で最初は悪戦苦闘した」と語るのは、最年長の秋山志津子さん(81)。慣れないタブレット端末だったが、事業への参加をきっかけに今では動画投稿サイト「ユーチューブ」で音楽を聴いたり、地図機能で散歩したりするようになったという。

 感染拡大により、同会は昨年4月から活動を自粛していた。それだけに、会員にとっては画面越しでも交流できることが心身の健康につながっているという。参加者の一人、吉田允子さん(77)は「これから外部との交流が減っても、自宅でつながることができたらいい」と新たな希望に胸を膨らませた。