「水の濁り」セシウム減少左右 福島大研究チーム、ため池分析

 

 福島大環境放射能研究所のアレクセイ・コノプリョフ特任教授(65)=放射線生物学=が代表を務める研究チームは、ため池の放射性セシウム濃度の推移を分析した研究成果をまとめた。ため池の水と、水中の濁り成分を比較した場合、水の方が放射性セシウム濃度の低下が遅いことが分かったという。

 研究チームによると、濁り成分中の微粒子から、放射性セシウムが水に溶け出していることなどが原因とみられる。研究チームは「(東京電力福島第1原発事故で飛散したセシウムの)生物への移行や、将来的なため池の管理を考える上で有益な知見が得られた」としている。研究成果は昨年11月、学術誌「ケモスフィア」で発表された。

 研究は、福島第1原発から4キロ圏内の帰還困難区域にある大熊町のため池3カ所で実施。2015(平成27)~19年の間、1~3カ月に1度の頻度で水や濁り成分内のセシウム濃度を測定した。結果、濁り成分では年間25~33%、水は年間9~29%ずつ、自然減衰などで濃度が低下していた。

 水と濁り成分のセシウム濃度の関係などから、研究チームは、原発事故時に原子炉内などで起こった反応でできた微粒子が水中に存在し、ごくわずかながら水に溶け出し続けている可能性があるとみている。研究チームは、水温などの影響で夏から秋にかけて水中のセシウム濃度が高くなることも明らかにした。

 福島大で2日に開かれた定例記者会見で、環境放射能研究所のコノプリョフ氏と脇山義史講師(39)=水文地形学=が発表した。