1週間延長「もう限界」 福島県時短要請、飲食店から切実な声

 
開店前の店内でいすの消毒作業を行う伏見さん=4日午後、いわき市

 県による酒類を提供する飲食店などへの営業時間の短縮要請が14日まで1週間延長されることになり、県内の飲食店などでは4日、諦めの声とともに「もう限界。今回の時短営業で終わってほしい」との切実な声が上がった。

 「延長は仕方がないが、このままでは従業員を雇っていけない。待ったなしの状況」。いわき市平田町でスナックひばりを経営する伏見栄子さん(75)は開店前の店内で消毒作業をしながら漏らした。

 伏見さんは要請に応じ、常連客からカラオケの予約が入れば午後8時まで営業してきたが、4日までに入った予約は2件のみだった。それでも開店準備を欠かさず行ってきた伏見さんは「いち早く協力金を出してほしい」と求めた。

 飲食店に酒を卸している追分(おいわけ)(福島市)の社長追分拓哉さん(74)は飲食店の状況について「卸している店舗の約6割が休業している。これ以上延長すると、店を辞める人が多くなる」と危機感を募らせた。

 多くの飲食店は要請解除後の客足を心配する。郡山市で飲食店を経営している男性(47)は「これまで夜は巣ごもりしていたお客さんが一斉に動きだすとは考えにくい」とこぼした。

 カウンターで客を待つ福島市のすし店「すし処辰巳」の代表取締役の熊倉喜人(よしと)さん(68)は「お客さんがすぐに来るとは思っていない」と表情を曇らせた。

 「中小業者」ため息交じり 20万円支給、不安や苦しさ明かす

 時短営業や外出自粛要請の影響を受けた中小業者に、一時金20万円が支給されることになったが、ため息交じりの声が目立った。

 会津若松市の繁華街に事務所を構える、とまと運転代行の代表本田裕康(ゆうこう)さん(68)は「涙すら出てこないよ。20万円が出たとしても保険代にもならない。仕事は1日に数本だけで、今回の緊急対策でとどめを刺された感じだ」と今後への不安を口にした。

 外出自粛要請などの影響で、観光客の動きが止まった温泉地。福島市飯坂町の旅館「祭屋湯左衛門」の社長柳沼公貴さん(48)は「(一時金は)多少でもないよりはありがたい。本音を言えば一律ではなく、規模に応じた支援をしてほしい」と苦しい胸の内を明かした。

 予約状況に応じて旅館の営業を休止している柳沼さんは、一時停止している県の宿泊費補助事業「県民割」について「早く動かしてほしい」と訴えた。