能面の魅力、伝統に触れて 2月11日から二本松の面打師作品展

 
展示される「猩々」(左)や「小面」(中央)など作品の一部

 二本松市在住の面打師斎藤春雄さん(84)が制作した能面を集めた作品展は11~16日、市民交流センターで開かれる。全国的に評価される斎藤さんの作品を通して伝統文化に触れてもらおうと、市教委が初めて主催する。斎藤さんは「能楽に興味を持ってほしい」と開催を楽しみにしている。

 斎藤さんは山形県羽黒町(現鶴岡市)出身。精密旋盤によるカメラ部品の製造会社を白沢村(現本宮市)で長く営んでいたが、61歳の時に廃業して古里に戻った。古里は、国指定重要無形民俗文化財「黒川能」が継承される鶴岡市櫛引地域に近く、能面制作を志した。

 能楽観世流シテ方の梅若六郎家に面を納める面打道臥牛(がぎゅう)流宗家、臥牛氏郷氏(宮城県)に師事し、技術を磨いた。横浜能楽堂が主催した全国公募の「能・狂言面大賞21」でベスト100に選ばれたほか、国立能楽堂での公演に使われた能面「岩精」を制作。臥牛氏から師範に認められ、技術指導できるまでになった。

 作品展では、ベスト100受賞作「猩々(しょうじょう)」をはじめ、初めて作った「小面(こおもて)」や翁の面など20点を出展する。また制作工程が分かるよう、材料のシナノキに設計図となる線を描き、彫り進めて面になるまでを3段階に分けて紹介。のみや彫刻刀などの道具も展示する。

 斎藤さんは自宅の工房に入り、木地を彫り進めるのが日課。「木地に触れることでどう彫ればいいのかが分かる」という。能面制作の技術を二本松に残したいと考えており、「作品展を通して、面打師をやりたいと思ってもらえれば」と話している。