乳がん再発予測に指標 福島医大本間准教授、細胞内酵素の集積発見

 

 福島医大医学部・生体物質研究部門の本間美和子准教授が、細胞内の酵素の一つ「CK2」が細胞核内の「核小体(かくしょうたい)」に集まっている時、乳がんの再発が起こりやすいことを突き止め、がん研究分野の国際誌キャンサーサイエンスに発表した。本間准教授は「CK2を調べることで将来乳がんが再発するかどうかの予測が可能になり、再発を防ぐ治療により早く着手することができるようになる」と意義を語った。

 同誌で1月に公開した。福島医大によると、CK2は「細胞内シグナル分子」として細胞の機能へ重要な役割を果たすことが知られている酵素で、通常は細胞質に多い。今回の研究は、星総合病院(郡山市)で行われた乳がん手術で摘出されたがんの試料を分析した。結果、がんが再発したケースでは、核小体にCK2が集まっていることが、統計学的に有意に確認された。

 乳がんは術後5~10年に予期しない再発が起こることがしばしばある一方、それを予測するのは難しいのが現状だという。CK2の核小体への集積は、再発を予測する指標として従来の指標と比較しても信頼性が高かった。この指標を使えば、将来の再発を防ぐ治療を速やかに開始できるほか、再発の可能性は低いと予測された場合は過剰な治療を避けるなど、個々の治療方針の決定に役立つことが期待される。

 本間准教授は「今後は乳がん以外のがんでも同じなのかどうか調べるほか、再発を防ぐ薬の開発につながる研究を進めたい」と話している。

 研究には、福島医大病理病態診断学講座の橋本優子教授と星総合病院の野水整院長が協力した。