会津鉄道脱線事故、水路老朽化が原因 沿線斜面に漏水し不安定に

 

 下郷町の会津鉄道会津線塔のへつり―湯野上温泉駅間で2019年11月に列車が線路に流入した土砂に乗り上げ脱線した事故で、運輸安全委員会は18日、事故の調査報告書を公表した。土砂流入の原因となった沿線の斜面崩壊について、斜面の上を通る県道に埋設された水路が老朽化して漏水し、斜面内に水が染み込んで不安定になったため、発生した可能性が高いと結論付けた。

 報告書によると、斜面上の県道高陦(たかしま)田島線の路面下に埋設されていた鉄筋コンクリート製の水路が大きく腐食していたことが分かった。水路の破損は、管理が適切でなかったことが関係した可能性があるという。

 再発防止に向けては、健全な状態で水路を維持する必要があるとした上で、斜面の異常を検知する崩落検知センサーの設置、斜面の防護工事の実施が望ましいとした。

 県道を管理する県南会津建設事務所は、水路に関する記録が残っていないため、設置された経緯や管理者を把握していなかった。事故を受け、同事務所は破損した水路を撤去、昨年2月に新たな水路を設置して管理を行っている。

 会津鉄道は昨年8月までに、崩壊した斜面の防護工事や周辺の斜面で補強工事を実施、崩落検知センサーも設置した。報告書の公表を受け、同社は「改めておわび申し上げる。公共交通機関の使命を全うすべく、皆さまに安心して利用いただけるよう、さらなる安全運行に努める」とのコメントを発表した。

 事故は19年11月27日午前5時50分ごろ、2両編成の列車が線路内に流入していた土砂に乗り上げ、先頭車両の一部が脱線した。乗客11人らにけがはなかった。