仮設校舎で最後の「感謝の会」 大熊中3年生、地域住民に花束

 
3年生の生徒から花束を受ける(左から)久子さんと建一さん

 東京電力福島第1原発事故の影響で、会津若松市の仮設校舎で授業を続ける大熊中で18日、卒業を控えた3年生がお礼を述べる「感謝の会」が開かれた。同校は4月から大熊町の熊町、大野両小がある旧河東三小(会津若松市河東町)に移転するため、仮設校舎で開かれるのは最後となる。学校活動を見守ってきた住民らが招かれ、生徒との別れを惜しんだ。

 大熊中は原発事故により、会津若松市に避難。2013(平成25)年4月から、会津大短期大学部の隣接地に建設した仮設校舎を使用している。現在の在校生は3年生3人だが、これまで130人を超える生徒が仮設校舎から巣立った。

 会には授業に協力している会津大短期大学部の関係者や地域の交通安全指導員ら13人が招かれた。3年の生徒3人が「体育館や図書館を貸してくれてありがとう」「温かい言葉を掛けてくれ、うれしかった」などと気持ちを伝えた後、出席者に花束を手渡した。

 仮設校舎に隣り合う住宅に住む田村建一さん(78)、久子さん(70)夫妻は、花束を受け取ると目頭を押さえた。2人は古里を離れて暮らす生徒を気遣い、入学式や卒業式などの節目に、生徒たちを励ますメッセージを自宅の2階に張り出し、エールを送ってきた。

 建一さんは「あと少しで、孫のような生徒がいなくなると思うと寂しい。ここでの学校生活を忘れないでほしい」と話した。

 大熊中は新年度、新入生を迎え、教育活動を継続する。町は幼小中一貫の教育を構築し、23年4月に町大川原地区に新設される予定の教育施設に移転させる考え。