「罹災証明発行」福島で相談1000件超 国見と新地は人手不足深刻

 
新型コロナ対策の仕切り越しに、罹災証明書発行の相談をする市民=18日午後、福島市役所

 本県沖を震源とする最大震度6強を観測した地震を受け、県内各地で公的支援を受けるためなどに必要な罹災(りさい)証明の申請受け付けが始まっている。一方で、住宅など被害が大きい自治体では、人手不足や新型コロナウイルス対策などから受け付け開始が遅れる所も出てきている。

 16日に総合相談窓口を開設した福島市には、罹災証明や各種支援制度などに関する相談が殺到している。電話なども含め、18日時点の相談件数は1000件超。窓口も混雑しており、市は新型コロナ対策として同日からオンラインでの罹災証明の申請受け付けも開始した。

 自宅の屋根瓦がずれるなどの被害を受け、18日に相談に訪れた同市の会社員石塚隆史さん(53)は「昨年末にリフォームしたばかりだった。周囲の被害状況を見ると、現地調査が混み合うのは仕方がない」と話した。

 市の担当者は「震災の経験を踏まえ、まずは相談するというケースが多いのでは」と分析。今後は家屋など被害状況の現地調査を行う職員が不足する可能性もあり、「通常業務を続けながら、速やかに証明書を発行できるかが課題だ」としている。

 17日に申請受け付けが始まった国見町では、確定申告時期と重なった影響もあり、担当課以外の職員も受け付けを手伝う。18日までに100件以上の申請があったという。町担当者は「業務量に対して人手が足らないと感じている。早めに調査に入れるよう全力を尽くしたい」と話す。

 一方、被害の大きい自治体では、受け付け開始が遅れている。1300棟を超える住宅被害が見込まれる新地町。被害状況の把握や応急物資配布に追われ対応し切れずにいたが、24日から罹災、被災証明の申請受け付け開始を決めた。担当者は「一日も早く必要だと思ったが、とにかく人手が足りていなかった」と話す。被害判定ができる専門職員も足りておらず、県に応援を要請している。

 被災証明を合わせると、町内のほぼ全世帯から申し込みがある可能性があり、混雑による新型コロナ感染も懸念される。被災証明は東日本台風発生時には即日発行していたが、今回は受け付けのみ行い後日証明書を送付する方針。用紙や記入例を送付し、可能な限り郵送での申し込みを呼び掛けるという。

 同様に住宅被害の大きい相馬市は、開始のめどが立っていない。相当数の申し込みが予想されるほか、新型コロナ対策もあり、担当者は「慎重な受け付け方法を考えなければ混乱する」と話す。

 郵送での受け付けも含め検討しており「一日も早く開始できるようにしたい」とした。

 県は18日、罹災証明の円滑な発行に向け、市町村対象の説明会を開催。県も「被災者支援に向けた取り組みを迅速に進めたい」としている。