常磐道、福島県内4車線に 国交相が方針、広野―浪江で事業化へ

 

 赤羽一嘉国土交通相は21日、現在2車線対面通行の常磐道広野―浪江インターチェンジ(IC)間(延長30キロ)について、新年度にも4車線化に向けた事業に着手する方針を示した。これにより、常磐道の県内全区間で4車線化の見通しが立った。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から10年の節目を迎える中、浜通りの交通網の充実による復興の加速が期待される。

 本県沖の地震の被害状況視察として、県庁で内堀雅雄知事と会談した赤羽氏が、会談後に報道陣に説明した。常磐道の4車線化を巡っては、2019年に国交省が優先整備区間として浪江―山元(宮城県)間を指定したが、広野―浪江間は方針が示されていなかった。

 赤羽氏は報道陣の取材に、現在4車線化工事が進むいわき中央―広野間(同27キロ)に触れた上で「(その先の)広野から浪江も切れ目がないよう、新年度内の事業化に向けて必要な準備を進める」と述べた。

 また、地震による土砂崩れで一時、通行止めとなった相馬―新地間についても、早期に4車線化に着手できるよう関係部局に指示したことを明らかにした。赤羽氏は「4車線区間だったら通行止めは回避できたのではないかという反省があり急務だ」と4車線化の必要性を強調した。

 常磐道の全線4車線化により、緊急時の避難路の確保をはじめ、首都圏と東北を結ぶ東北道を補完する効果も見込まれる。福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の推進や、中間貯蔵施設への除染土壌の搬送など復興事業の加速にも期待が高まる。

 内堀知事は「避難地域の復興・再生を円滑に進める上で重要な前進。全県的な活性化にもつなげたい」と歓迎した。赤羽氏は昨年3月の常磐道双葉IC開通の記念式典で「常磐道全線の実質4車線化が一日も早く実現できるよう全力を尽くすことを約束する」と述べていた。

 常磐道は常磐富岡―浪江間の開通により、15年に全線が開通した。