「万世大路」通じ近代を学ぶ 福島で講座、ルート選定など解説

 
万世大路の歴史を語る守谷さん

 福島市と山形県米沢市を結ぶため明治初期に整備された栗子峠の「万世大路」の開通に関する講座「明治の万世大路をひも解く」は19日、福島市のあづま総合体育館研修室で開かれた。参加者約100人が万世大路の開通にまつわる歴史に理解を深めた。万世大路の保存活動に取り組む「二ツ小屋隧道保存会」の主催、県、福島河川国道事務所、市の共催。

 同保存会が3月末、明治期の県庁文書「万世大路事業誌」の原文に注釈や解説を加えた本を刊行する。執筆者でもある県文化財保護審議会委員の守谷早苗さんが講師を務め、当時の福島県庁や国などのやりとりを詳細にまとめた同事業誌の内容を解説した。

 万世大路のルート選定や工事の進め方、用地の補償、工事の死傷者の対応、医療体制などを紹介した。守谷さんは「万世大路は本県の近代化を知る重要な存在。福島と米沢の歴史的なつながりも踏まえ、全てとはいわないが後世に残すべきではないか」と締めた。

 万世大路は福島・山形の発展に向けて両県が1876(明治9)~77年着工。当時日本最長の「栗子隧道」などトンネル5本、橋30カ所以上など大規模工事を進めて81年に開通。昭和初期から改良されたが、国道13号整備に伴い昭和40年代に廃道となった。