「只見線」魅力向上や観光振興語る 若松で利活用推進協シンポ

 
パネル討論で只見線の魅力について語った(左から)後藤、加藤、酒井、星の各氏

 JR只見線の橋やトンネルなどの土木遺産認定に向け、県や沿線自治体などでつくる只見線利活用推進協議会は23日、会津若松市でシンポジウムを開いた。関係者が只見線の全線開通を見据えながら魅力向上や観光振興へ意見を交わした。

 講演とパネル討論の2部構成で、1部の講演で日大工学部の知野泰明准教授が土木遺産の制度について解説、「(認定により)末永く路線が使われ、地元の盛り上がりに役立ってほしい」と期待を込めた。

 東北土木遺産研究所の後藤光亀所長は只見線の魅力を紹介。線路がさまざまな地質を縫うようにして敷かれ、雪で浸食された地形などを楽しめることから、只見線を地質や地形を学ぶ「ジオ・トレイン」としてPRすべきだと提言した。

 パネル討論には知野、後藤の2氏のほか、関山街道フォーラム協議会の加藤栄一副会長、奥会津郷土写真家の星賢孝氏、只見線地域コーディネーターの酒井治子氏、産業遺産学会員でダムマイスターの目黒公司氏が登壇した。星氏は「奥会津の光景はそれだけではきれいなだけ。只見線が入ることで魂が入る」と述べたほか、沿線での外国人旅行者の増加が、地元住民が只見線に関心を寄せるきっかけになっていると語った。

 目黒氏は只見線の発信力強化へ、越後長岡藩家老・河井継之助の記念館に近い会津塩沢駅の名称を全国でも珍しい人名駅「河井継之助駅」に変更するよう提案し、「只見線の全線復旧に向けて、福島、新潟両県の連携を深めるべきだ」と強調した。シンポジウムはオンラインでも配信された。

 土木遺産は50年以上の土木建築が対象となり、土木学会が後世に伝えるべき建築物として毎年20カ所程度を認定している。県内では安積疏水関連施設(郡山市など)や十綱橋(福島市)など6カ所が認定。協議会は只見線の橋りょうなどを3月末までに土木遺産として申請、9月ごろの認定を目指す考えだ。