大熊、10月から「準備宿泊」開始 復興拠点で初、町が方針決定

 

 大熊町は、町内の帰還困難区域に設けた特定復興再生拠点区域(復興拠点)での準備宿泊を10月に開始する方針を決めた。9月末までに除染やインフラ復旧を進め、国と協議して正式決定する。県内6町村で整備されている復興拠点で、準備宿泊についての具体的な開始時期が決まったのは初めて。町は復興拠点を来春に避難指示解除する考えで、準備宿泊を町の本格復興の弾みにしたい考えだ。

 準備宿泊は、住民帰還を円滑に行うため、避難指示区域で禁止されている宿泊を特例的に認める制度。町はJR大野駅周辺の下野上地区などかつての中心市街地に設定した復興拠点の約860ヘクタールで準備宿泊を実施する。このうち、約630ヘクタールでは、すでに避難指示の解除や立ち入り規制の緩和が行われ、今後は下水道の復旧工事などが進められる。

 町によると、準備宿泊が行われる地域の対象者は約6000人。町は、すでに家屋を解体したり、避難先での生活が定着化したりして帰還の意思がない町民が多いことから、実際に準備宿泊に参加するのは1割未満とみている。

 町環境対策課の沢原寛課長は「避難指示解除に向けてインフラ復旧を進めていく。国は責任を持って除染を進めてほしい」と述べた。