「土木のこころ」復刊 寿建設・森崎社長が尽力

出版社の現代書林は、作家の故田村喜子(よしこ)さんが明治から昭和にかけて活躍した土木技術者の姿を描いた著書「土木のこころ―夢追いびとたちの系譜―」の復刻版を刊行した。元の出版社が倒産し、入手困難となっていたが、この本に感銘を受けた寿建設(福島市)の森崎英五朗社長(52)が「先人たちの土木の心を伝えたい」と復刻に尽力した。
本には琵琶湖疏水や新幹線が走行する軌道の敷設など国土づくりにまい進した20人が登場。土木技術者の精神や業績を伝えている。
森崎社長は2018(平成30)年6月にこの本と出合ったが、出版社は07年に倒産しており、田村さんも12年に亡くなっていた。このため付き合いがあった現代書林の社長に協力を依頼、復刻にこぎ着けた。
本の帯には森崎社長と親交のある漫画家福本伸行さんのイラストを採用した。東日本大震災直後、寿建設に寄せられたもので、昼夜を問わず復旧作業に当たる土木関係者への激励のメッセージが込められている。
土木業は人手不足の改善のため、休日取得や給与向上を図っている。ただ、森崎社長は「一番大事な核の部分は社会のために全力以上の力を出すことを惜しまない土木の心だ」と指摘。「この本が、若い人たちが土木の道を志す着火剤になれば」と期待を寄せる。
復刻版は今月から県内の書店などでも販売されている。四六判、288ページ。定価1925円。問い合わせは現代書林(電話03・3205・8384)へ。
みどり書房福島南店、記念のフェアを開催
福島市のみどり書房福島南店は「土木のこころ復刻記念フェア」を開催している。店頭入り口付近に特設コーナーを設け、「土木のこころ」のほか、土木関係の本を紹介している。
「土木のこころ」は八重洲ブックセンター(東京都)のベストセラーランキングで総合部門2位、一般教養書部門1位に選ばれた。
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