強い放射線耐性発見 福島高専・斉藤さん、田んぼの微生物研究

福島高専専攻科産業技術システム工学専攻2年の斉藤瞭汰さん(22)=茨城県北茨城市=は田んぼなどに生息する微生物の「コルポーダ」に、強い放射線耐性と細胞の修復機能があることを突き止め、ロシアの原生動物学雑誌など国際学術雑誌で発表した。修復機能の原理を解明できれば放射線防護に役立つ素材の開発などへの応用が期待される。斉藤さんは「新たな可能性につながってほしい」と話した。
新素材開発へ期待
コルポーダは乾燥や高温など過酷な状況にさらされると、表面に殻を張る「休眠シスト」と呼ばれる特殊な細胞に変化して休眠する。代謝が停止する代わりに環境ストレス耐性を獲得するという。
斉藤さんは2018(平成30)年に研究を開始。コルポーダに似た生物がガンマ線耐性を持っていることに興味を持ち実験に取り組んだ。休眠中のコルポーダにガンマ線を照射すると細胞にダメージがみられたものの修復機能が働くことを確認。照射レベルを変化させるなどしてデータを集めた。修復原理の解明や休眠シストのコントロールなどができるようになれば薬剤に強い生物への対処や感染症予防にも役立てられるとされる。
斉藤さんは4月から高知大大学院に進学して視野を広げる予定だ。研究は指導教員の十亀(そがめ)陽一郎助教が引き継ぎ、解析を進めるという。16日、斉藤さんに高専機構理事長特別表彰が贈られた。斉藤さんは「やってきたことが認められてうれしい」と話した。福島高専の山下治校長は「個人の活躍が日本や世界の発展につながる。世界的に活躍してほしい」と激励した。
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