甲状腺がん症例、福島県がん登録情報から24人判明 県民健康調査

 

 福島医大は22日、2012~17年の県民健康調査の甲状腺検査と、県がん登録情報による甲状腺がん症例数の合計は223人だったことを明らかにした。甲状腺検査によって判明したがんやがん疑いから、さらに24人増えることになった。

 22日に福島市で開いた県民健康調査検討委員会の甲状腺検査評価部会で示した。部会は、甲状腺検査の受診率が低下する中、甲状腺がんの発見状況などとの整合性を調べる狙いで、県がん登録情報のデータを活用。その結果、21人は甲状腺検査の結果が出る前に医療機関を受診して治療を受けていた。3人は甲状腺検査を受けていなかったという。甲状腺検査でがんやがん疑いと診断された人は199人だった。

 がん登録は、がんと診断された人のデータを記録する制度。部会は今後、全国がん登録情報のデータの活用も進める。

 また、3巡目検査までの原発事故と甲状腺検査との因果関係を調べる解析・評価方法として、がんと診断された人の事故後の行動を県民健康調査の「基本調査」を基に分析する手法の導入について検討に着手した。

 これまでは国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)による各市町村の推定甲状腺吸収線量を用いて、事故との因果関係を考察していたが、線量とがん発見率との相関関係は認められていない。新たな手法では個人線量の視点から分析する方針。

発見率と線量の上昇比例関係は確認されず

 福島医大は22日、甲状腺検査の3巡目検査の結果を巡り、国連の2013年版の報告書を基に甲状腺吸収線量と甲状腺がんまたはがん疑いの発見率に、線量の上昇との比例関係は確認されなかったと報告した。

 甲状腺評価部会で示した。部会長の鈴木元氏(国際医療福祉大クリニック院長)は「線量が増えるに従って罹患(りかん)が増える傾向は見られない」とした一方、国連の20年版の報告書を使って解析する必要性も指摘した。