「命つなぐ継続的支援を」困窮ひとり親SOS コロナ禍で収入減

 
パソコン会社で働くひとり親の女性。コロナ禍で一時は在宅ワークも行った

 新型コロナウイルス禍が長期化し、稼ぎと家事を一人で行う「ひとり親家庭」の生活への影響が増している。仕事が減って収入が不安定になる一方、食費や育児に関する金銭的、精神的な負担は変わらないからだ。国は2度にわたってひとり親世帯臨時特別給付金を支給したが、継続的な支援を求める声も聞こえる。

 昨年11月、福島市のNPO法人こども緊急サポートふくしまの事務所。ひとり親家庭を支援するため、ホウレンソウやダイコンなどが無償配布された。これらが入った野菜ボックスを受け取る人の中に、市内在住の40代の女性の姿があった。「大変ありがたい。大切にいただきます」。そう言って、大事そうに野菜を抱え自宅へ帰っていった。

 女性は一人で小学生の長男(9)と認定こども園に通う次男(6)を育てている。正社員としてパソコン関連の仕事をしているため、収入の減少などはないものの、学資保険の借り入れなどがあり、経済的な不安は常に伴う。昨年9月に支給された給付金の8万円は借り入れの返済に、昨年12月の2度目の給付金も一部は返済に、残りは生活費に充てた。

 精神的な負担も増している。昨春の一斉休校時は子どものために在宅ワークを行ったが、家事が近くにある状態にもなり、仕事になかなか集中できず。昼食の準備から片付けまで1時間半近くかかるなど、金銭的にも、精神的負担が増した。「また同じような状況になったらどうしよう...と考えたこともあった」という女性。再度休校になることはなく、「子どもたちが無事に小学校に通えていて良かった」とほっとした様子で話した。

NPOに相談増

 女性と同様の悩みを抱えている人は少なくない。県内のひとり親の相談や子どもへの支援などを行っている郡山市のNPO法人「しんぐる・まざあず・ふぉーらむ・福島」に昨年1年間に寄せられた電話相談件数は158件。コロナ前の一昨年より3倍近く増えた。

 その中には「仕事がなくなり、収入が減った。生活費をどうしたらいいのか」「ふりかけとご飯だけの生活が続いている」「預金残高が500円しかない」―といった悲痛なものもあったという。

 同NPOの遠野馨理事長によると、支援活動自体もコロナ禍で「なんとか届けることができている」状況。遠野理事長は行政の力がもっと必要だとし、「生活困窮状態にある母子の命をつなぐため、行政からの支援もお願いしたい」と訴えた。