福島県内地価8年ぶり下落 新型コロナや東日本台風影響

 

 国土交通省が23日発表した公示地価(1月1日時点)によると、住宅地や商業地などを含む県内全用途の平均変動率はマイナス0.2%となり、2013(平成25)年以来、8年ぶりに下落に転じた。県内地価は震災、原発事故で落ち込んだ後、復興需要を背景に上昇が続いていたが、新型コロナウイルスによる経済活動の停滞と一昨年の東日本台風(台風19号)の影響が浮き彫りとなった形だ。

 用途別の平均変動率は、住宅地がマイナス0.1%で8年ぶりに、商業地はマイナス0.6%で7年ぶりに下落した。一方、調査地点が13地点と少ない工業地は0.2%で、8年連続の上昇となった。

 住宅地は、原発事故の被災者の移転需要や復興需要が完全に落ち着くとともに、急速に進む人口減少を要因に下落。特に東日本台風で浸水被害を受けた地域では需要の減退が続き、マイナス10.5%と県内最大の下落率となったいわき市平下平窪3丁目は全国でも2位の下落率だった。

 商業地は、コロナ禍で営業自粛などを余儀なくされた酒類を提供する飲食店街や温泉街、観光地などで下落傾向が顕著に表れた。県内最大の下落率は郡山市大町1丁目のマイナス6.8%で、飲食店の収益力の低下が下落につながった。

 ただ、全用途の平均変動率は全国9位で、前年の19位から大きく上昇した。新型コロナの影響が東京、大阪、名古屋の3大都市圏により大きく表れたためだ。用途別で住宅地は10位、商業地は13位、工業地は19位。

 県内の調査地点は、前年と同数の42市町村440地点。上昇は156地点(前年比75地点減)、横ばいは94地点(同13地点増)、下落は184地点(同58地点増)で、8年ぶりに下落地点数が上昇地点数を上回った。

 評価に当たった鑑定評価員代表幹事の佐藤栄一氏(県不動産鑑定士協会副会長)は「台風被害については当面、プラスになる要素はなく、商業地については新型コロナの収束次第という面が強い」と指摘した。