買い物支援へVR技術を活用 南相馬市、3月26日から実証実験

印刷会社の凸版印刷(東京都)は26日から、南相馬市の小高区で、家にいながらスーパーの品物を買い物できるサービスの実証実験を始める。情報通信技術(ICT)機器を活用することで、地区の「小高ストア」に展示されている商品を見ながら注文し、配達してもらうことができるのが特長。同社と市は、交通手段のない高齢者らの支援につながることを期待している。
同社のシステムは、画像を立体的に見ることができる仮想現実(VR)の技術を活用する。今回の実証実験では、小高区の20~70代の約20人に「小高ストア」の店内を見ることができる眼鏡状の「VRグラス」を配布する。当初は総菜コーナーでの買い物から運用する。
利用者はVRグラスを身に着けて欲しい品物をつかむ動作をすると、VRグラスと連動している店舗側のカメラが商品を認識し、品物を手に取ったことになる。それを画面上の買い物かごのマークに運ぶと買い物リストに加えられ、配送に来た店員に直接料金を支払う仕組みだ。将来的には、店員との会話もできるよう調整するという。
24日に市役所で開かれた報道陣向けの発表会では、門馬和夫市長がVRグラスを装着し、使用の感触を確かめた。門馬市長は「店の品ぞろえがよく分かる。私も店に行って買い物するのが好きだが、グラスを通じて自分が店舗に行ったような気分になれる」と評価した。
凸版印刷の亀卦川篤コンシューマーサービス本部長は「店に行きたくても行けない人もいる。店に足を運ぶ楽しみを画面越しでも味わってもらえるように開発した。小高を起点に改良を重ねて製品化を進めたい」と語った。実験の課題を洗い出し、2023年の実用化を目指す。
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