後輩のための日本画 飯坂小で中村岳東の作品発見、額装し展示

 
額装した中村作の絵「大鳥」を紹介する山岸校長

 昭和期に活躍した二本松市出身の日本画家中村岳東が描いた「大鳥」が昨年1月、福島市飯坂町の飯坂小で発見された。後進のために同校の1946(昭和21)年度卒業生らが依頼し制作された掛け軸の絵とみられ、同校はその思いを受け継ごうと額装して玄関内に掲示している。

 掛け軸は校舎の耐震工事のため、校長室の棚を整理した際に見つかった。絵の部分だけで畳1枚ほどの大判。掛け軸にあった説明書きによると、48年3月の制作で、地元の大鳥城の大鳥にちなんだ作品という。

 中村は幼少からろうあというハンディキャップがあったが、日本画家荻生天泉(旧東和町出身)に師事した。揮毫(きごう)謝礼と表具料で2500円かかっており、そのうち、800円(現在の貨幣価値で約40万円)は46年度卒業生の寄付金でまかなわれている。

 「飯坂小の子どもたちが大鳥のように大きく羽ばたいて活躍してほしいという願いが込められている」と話す山岸裕司校長。戦後間もない混乱期に、これだけのお金をかけて、後進のために絵を残そうとした卒業生や関係者の思いに心を打たれたという。額装された大鳥は縦約1.7メートル、横約1.1メートル。二本松市教委によると、現存が確認されている中村の作品は、大鳥で3点目。同市歴史資料館には2点が所蔵されている。