「大堀地区視察ツアー」4月から開始へ 原発事故の影響伝える

 
原発事故当時のままとなっている状況を説明する関係者=浪江町

 伝統工芸品・大堀相馬焼の一部窯元と有志でつくる「大堀相馬焼の郷 陶魂(とうこん)会」は4月から、東京電力福島第1原発事故の影響で帰還困難区域となっている浪江町大堀地区を中心とした一般向けの予約制視察ツアーを始める。原発事故による避難で、震災後の状況がそのまま残る一部窯元の敷地内にも立ち入り、事故の影響を肌で感じてもらう。

 ツアーは、避難指示が解除された小野田地区の「春山(しゅんざん)窯」を出発、大堀地区の「明月(めいげつ)窯」「休閑(きゅうかん)窯」など、通常は立ち入りが制限されている場所を含め、浪江町内を約1時間で巡る往復約1.5キロのコース。

 移動は車で行い、途中で下車して案内人が地区の現状を参加者に説明する。ツアーに賛同する窯元の思いなども伝えていく考えだ。

 ツアーは、同会事務局の渡辺博之さん(いわき市)が数年前から構想を温めてきた。事故の影響で各地に避難する窯元に視察の許可を取ったほか、町にも一時立ち入りの許可が出るよう交渉し、実現にこぎ着けた。

 渡辺さんは「除染は進んでいるが、放射線の影響を受けている場所がまだある。浜通りの住民として原発事故を伝える責任がある」と思いを語る。

 同会は29日、報道陣にツアー内容などを公開した。大堀相馬焼協同組合理事長で陶魂会長も務める小野田利治さんは「自由に立ち入りできず苦しい思いをしている人も多くいるが、伝えていかないと忘れられてしまう。ツアーを通じて地区の現状を見てほしい」と呼び掛けた。

 参加無料だが、年齢制限などを設ける。4月は18、28日、5月は8、11、18、21、28日で各日午前9時、同11時、午後1時からの3回を予定している。1回の定員は15人ほど。予約は同会ホームページ(https://ooborisomayaki.org/)へ。