福島大の発酵醸造研究所発足 「福島に合った酒米の品種見つけたい」

 
発酵醸造研究所の看板の前に並ぶ松田所長(左から3人目)、生源寺真一食農学類長(同4人目)ら

 福島大の発酵醸造研究所が1日発足した。福島市の大学キャンパス内の既存施設を活用し、専任の特任教員3人と食農学類所属の兼務教員が日本酒やみそ、しょうゆなど発酵・醸造食品に関連する研究に当たる。松田幹(つかさ)所長(65)=食農学類教授=は同日、福島民友新聞社の取材に抱負を語った。

 ―研究所が目指すのは何か。
 「安全でおいしいだけでなく、エネルギーコストや環境負荷が低い製品を開発するための基盤研究に当たる。微生物による発酵という自然の現象を活用している発酵食品は、持続可能な社会づくりに有効だ。発酵がうまく進む作物の開発などに取り組みたい」

 ―発酵食品の健康への影響とは。
 「人間の消化吸収を助けるだけでなく、体の中で腸内細菌の栄養になっている。腸内細菌に栄養を与えて健全な状態にすることが、肥満や高血圧など生活習慣病の予防につながることが指摘されている」

 ―本県で研究したいことは。
 「福島の気候、風土に適した栽培技術を確立したい。日本酒で広く使われている兵庫県産の酒米『山田錦』は寒冷な本県での栽培は難しい。ゲノム情報なども駆使しながら、ここに合った酒米の品種を見つけていく」